音楽コラム"complesso"#3

head_1.jpg


list_3.jpg
「え、もう年末...?」。ディスク・デシネを始めてからと言うもの、毎年のようにそんな事を言ってる気がします。やっと、通年業務の流れが掴めて来た頃には、プロダクション・デシネと言うレーベルを始めてしまい忙しさは倍増。

そのペースも何となく読めて来た頃には、お店の移転で激務。さらに毎年・年末には(既に恒例の)DJパーティー『musique dessinee』の"お祭り仕様"の開催と、年末は常にドタバタしている気がするのですが、たまには"普通の"年末気分を味わいたい!と言うことで、僕の2008年を彩ってくれた素敵な名曲達を(柄にも無く)振り返ってみることにします... (当然のことながら、一番よく聴いてて、思い入れもたっぷりの"プロダクション・デシネ"でのリリース作品は割愛しております。言うまでも無く、全作品" 最高"ですから!)


column03_1.jpg

(1.)The Clown - Clownism
(Hjordisc records)
今、一番プロダクション・デシネでリリースしたい作品は?って聞かれたら、ほぼ確実に"コレ"って答えます。もう、奇跡としか言い様の無い"感動"と"メロディ"の数々。今の僕にとっては、アルバム全てがパーフェクトな位にスバラシイ。Henrikの歌声/ソングライティングには、確実に魔力があります。切なさ、儚さ、優しさが渾然一体となって込み上がる「Pick me up」のフワッとした感じに、いつまでも包まれていたい気分です...。ダントツで、2008年最も"感動"した逸品。

(2.)Sissy Wish - Beauties never die (Flake Sounds)
こう言う才能のある人は、是非ともバカ売れして欲しいと切に願います。あと、ついでに来日してライブとかもして欲しいなぁ... 100%の確率で観に行くでしょう&最前列狙います。

(3.)Final Solution - Brotherman (Numero)
衝撃度・No.1です。有名なアーティストのデモテイクとか、どうでもイイ感じの未発表曲とかならどうでも良いんですケド、こう言う内容がスゴ過ぎる"未発表音源/作品"とか、本気でスゴすぎる...。

(4.)It's a Musical - The music makes me sick (Morr music)
滑り込み"ミラクル"。ジャケのセンスも素晴らしい。まさに、言葉が無力化させられる感じです。タイトルも天の邪鬼な感じでソソりますネ...。

(5.)Andrea Pozza Trio - Drop this thing (Deja Vu)
公私共々仲良しのパオロがリリースした、idea 6に続く(素晴らし過ぎる)イタリアンジャズの"今"。ブームに乗って(か?)、雨上がりのタケノコのように出て来る"今のジャズ(クラブジャズって言うの?)"っぽい人達とは桁違いのセンス/エレガンスに彩られた名作。流石...。



column03_2.jpg


(6.)Caitlyn - Brain vs heart (Dreamusic)
『思い出のサニー・ドリーム』って邦題はどうかと思いますが(笑)、確かに"うんうん"とうなずいてしまう位に"青くて爽快"な名曲「Scenes From a Sunny Dream」がサイコウ!忘れてた何かを、隅々まで(必要ないことまで(笑))思い出させてくれます...。

(7.)Archie Cavanaugh - Love Birds (Archie Cavanaugh)
ロジャニコ(←も最高!)を筆頭に、今年もカムバック作品は色々とありましたが、28年振りに復帰作を発表したこの人もスゴかった。しかも、そのサウンドがほんのりアーバンに進化してるところもスゴかった!日本盤はいつ出るんでしょうか?

(8.)Joel Alme - Master of Ceremonies (Sincerely yours)
この、ややモサッとした歌声がダメな人はダメなんでしょうか...?しかし、熱く込み上がるコノ感じには滅多な事では出会えませんヨ。激しく叩かれるピアノと華麗に舞うストリングスの格好良さは言葉になりません!

(9.)Geyster - Everytime I see your face (P-Vine)
大躍進の2nd。思いっきり歌モノ・ハウス指向だった前作から、より"ソウルフル"に、より"歌心"を増した極上メロウな傑作。「Runaway car」なんて、驚愕の名曲でしょう...。

(10.)Elias & The Wizzkids - Little Mess (Thistime)
すみません、アルバムは通してちゃんと聴いてません。でも「24」は何百回も聴きました。聴けば聴くほど胸に沁みるんです...。



と言う感じで、足早にお届けしました。今回は、2008年にリリースされたモノ、お店に在庫のあるモノの中から選びました。詰まるところが、新譜じゃなくなっても、話題性が薄れても、みんなの記憶の片隅に追いやられても、世の中的には終わっちゃった感じになっても、ディスク・デシネで、ズッ~と定番として売って行きたいモノ、を選んだ"だけ"です。それが昔から変わらない商品セレクトの基本であって、"売れる商品を見つけて来る"んじゃなくて、" とことん好きな作品を紹介して行く"のが、僕の仕事な訳です。だから、ジャンルも年代もスタイルも何も関係無いのです。いつ聴いてもイイなぁと思える作品と言うのは、全て"たった一つ"の共通項で繋がっているだけに過ぎません。そう、"感動出来るメロディが、素敵にデザインされて鳴らされる"って事です。それを皆さんが気に入ってくれて、買ってくれたりすると、なお嬉しい訳です。そうなれば、今以上にドンドン張り切ってしまえるハズです(笑)...。オシマイ。

(丸山 雅生 / 2008.12.30)


---------------
<<<< 前へ Complesso 02: 『雨』
>>>> 次へ Complesso 04: 『うちカフェ』
>>>> Complesso トップページへ
>>>> ディスク・デシネのトップページへ


footer_w.jpg

2010年5月30日 17:53