音楽コラム"complesso"#7

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2010年も残すところあとわずかです。毎年、年の瀬のスピード感に目がくらみます。2010年はスウィッシーのツアー(最高に楽しかったです...)、続けざまにウェブサイト「ディスク・デシネ・ウェブ」の閉店→「ディスク・デシネ・オンライン」の新装オープンと言う途方も無い作業を行いつつ、念願だった『ジェラシー』のアナログ復刻を行ったりと、一年の半分も過ぎない内にクタクタ。その後はレーベル「プロダクション・デシネ」の怒濤のリリースラッシュが続き、買付にも行ったりと、振り返るとまともに休んだ記憶が全く無いのです。長引く"不況"とか言うのも、もう当たり前の認識になって来て何とも思わなくなって来ているのが怖くて、笑えない状況ですネ。そして、音楽業界についてですが、これはもう表現しようがない感じで...。売上が落ち続けているのは分かるんですが、配信しかやらないアーティストも増え過ぎて、勿体ないやら悲しいやら。しかしながら、やっぱりイイ曲は日々生まれ続けている、未だに知られていない旧音源に出会えてしまうのが、"音楽"の深さでありスゴさ。と言う事で、2010年も一杯ステキなアーティストの名曲に出会い、感動しました



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(1.) Arnaud Fleurent-Didier - La Reproduction (Sony)
大名曲「Reproductions」の儚げなフィーリングは永遠です。緩やかに登り詰める中盤の高揚感に絶句したこと1000回以上。

(2.) 矢舟 テツロー - エイジ・オブ・ヴィンテージ (Vivid Sound)
2010年はヤフヤフの年、って気分です。全てのアルバムが素晴らしいのですが、個人的には1stアルバムに収録の名曲「ごめんなさいと言って」がフェイヴァリット

(3.) Manuela - A different kind of fire (Golden Recordings.)
もしかすると2010年のベストタレント?って位に素晴らしい才能です。ソウルフルな歌声にKOされます。「Circling Numbers」がスッゴイ。新曲が楽しみ過ぎます。

(4.) Adhitia Sofyan - Quiet down (Independent)
哀愁の背中ジャケが素晴らし過ぎます。インドネシアの歌心、アディティア・ソフィアン。もっと色んな人に聴いて欲しいなぁと思える心に響き名作です。

(5.) Estrella - ST (2007) (Laguna Music)
名曲「Stay」とLiyanaの歌声の清々しさ。マレーシアが生んだ最高のインディバンド。解散してなければなぁ...。最近は、Liyanaのソロに注目しております。

(6.) Veronica Maggio - Och vinnaren ar... (Universal)
スウェーデンではセレブ、でも日本じゃ全く無名。ありそうでありえない、センスの塊みたいな女の子、ヴェロちゃん。


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(7.) Maren Parusel - Days in universe (requiemme)
秘かな愛聴盤・オブ・ザ・イヤー。突出している訳じゃないけど、何故かすぐに聴きたくなるのが魅力です。こう言うのがもっと親しまれる世の中になって欲しいです(笑)。

(8.) Alpha Latino - Alpha Latino Live (1990) (Alpha Productions)
1900年の作品ですが、7'のデッドストックとともに発掘した極上過ぎる1枚。歌心を感じさせる楽曲が涙モノ。時代に取り残された奇跡です。

(9.) The Clown - Clownism (Hjordisc records/production dessinee)
3年連続のザ・クラウンです。もはや僕の脳ミソの一部として機能しています。名曲「Pick me up」は人生のベスト10に入っちゃうかも...。

(10.)
Alpha-Jazz - Farbe-Blues / Samba de Amor
(Zyt-Vertrieb)
Jean Buisine - Championnats du monde d'halterophilie (RSN)
デッドストック・オブ・ザ・イヤー × 2。どっちも前人未到の快挙です。世界中探しても、ディスク・デシネにしか在庫はありません。たぶん。

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と言う具合に、今年も良い曲沢山ありました。って言うか、"知られて無いだけで、ステキな曲は沢山あるんですよ~"って事、知ってました?

さて、ここで大切なことを一つ。これら素晴らしい名曲達は、"これからも名曲であり続ける"と言う事です。当たり前ですけど、何十年経っても音溝に刻み込まれた音は変わりません。変わる物があるとしたら、それは聴く人の感覚や好みであって、そこに音楽の善し悪しは関係ありません。旬な時期が過ぎたら取り扱わなくなるとか、新譜じゃ無いから取り扱わないとか、そんなのどうでも良いこと。音楽業界の風潮がそうであっても、ディスク・デシネには関係ありません。好きだからお店で取り扱いたい、好きな音楽だからこそ、顧客の皆さまに聴いて欲しい。シンプルな事を2011年も引き続き継続して行きたいです。(「2010...(手前味噌版)」へ続く...)

ディスク・デシネ / 丸山 雅生 (2010.12.29)

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2010年12月29日 17:57