デシネの音楽コラム"complesso"
『 complesso 』は、ディスク・デシネ・スタッフによる音楽コラムです。
普段、ショップで紹介&販売しているステキな音楽達を、いつもとは違った視点で、
あるいは新しい切り口で、軽快な文章に乗せて紹介してしまおうと言う
(願望の元にスタートした)読み物ページです。
もちろんスタッフそれぞれの感覚やセンスによる編集ですので、
人それぞれ/十人十色な内容になるかと思います。
ので皆様もあまり肩肘張らずにお楽しみ頂ければ幸いです。
特に細かいルールを設けている訳ではありません。
もしルールがあるとすれば、それはディスク・デシネのポリシーと全く同じ、
『自分の大好きな音楽』を取り上げる事です。
ショッピングの合間にでも、気楽にお楽しみ下さい ...
あ、もし気に入ったのがあったら、是非ともご購入下さいネ!
ささやかなお願いデス ...
ディスク・デシネ 代表 丸山 雅生 (2008.05.17)
○C09.『亜細亜通信 vol.1』 by 小田
○C08.『2010...(手前味噌版)』 by 丸山
○C07.『2010...(通常版)』 by 丸山
○C06.『2009...(手前味噌版)』 by 丸山
○C05.『2009...(通常版)』 by 丸山
○C04.『うちカフェ』 by 橋田
○C03.『2008』 by 丸山
○C02.『雨』 by 橋田
○C01.『青メロ(その1)』 by 丸山
音楽コラム"complesso"#9
"アジアの音楽"と聞いて皆様はどのような音楽を想像しますか?シタールやタブラを用いた民族音楽?もしくは日本の音楽市場でも人気の高いK-POPのアイドル達?もちろんアジアの民族音楽や、K-POPアイドル達の音楽も"アジアの音楽"です。そしてそういう音楽の方が世間一般的には"アジアの音楽"としての認知度は高いはずです。
ただそれは"アジアの音楽"のほんの一角にすぎません。日本でも様々な音楽が生まれているように、きっと認知度は低くても様々なジャンルの素晴らしい作品が日々生まれ続けているはずなのです。(これは世界中に関して言えますが)
ディスク・デシネでは"素敵な音楽との出会い"を日々追い求めている訳ですが、"アジアの音楽"もその例外ではありません。"素敵な音楽"を追い求めた結果、出会った音楽がたまたまアジアの音楽だったというだけのことなのですが、僕らが知らないだけでアジアにも素晴らしいアーティストが沢山いるんだなぁと日々感動させられます。
と言う訳で今回は、「アジアにも素晴らしいアーティストがいっぱい居ますよー!」と言うコトをお伝えすべく、ディスク・デシネがオススメするアジアの素敵な音楽を国ごとにご紹介させて頂こうと思います。僕の紹介文はさておき、是非いろいろ試聴してみてくださいね。
(1.) アディティア・ソフィアン - クワイエット・ダウン (production dessinee)
たった一人、"弾き語り"というとってもシンプルな手法で吹き込んだ作品。良いメロディと素敵な歌声、この二つだけで感動を与えてくれる名作です。祝・日本盤リリース!
(2.) Endah N Rhesa - Look what we've found (Endah N Rhesa)
こちらは夫婦二人で吹き込んだ作品。どこまでも爽やかなアコースティックポップですが、Endahのキュートなボーカルとそれに応え歌うようなRhesaのベース、ふたりの息ピッタリなアットホームな雰囲気が素敵です。
(3.) Mocca - Colours (Beatball Records)
お次は4人組。瑞々しく溌剌としたサウンドが素敵ですが、何と言ってもボーカルArinaの透き通るような歌声が素晴らしいです。韓国ではCMに起用されたりと、実は本国以上に人気があるとか無いとか...。
(3.)Maliq & D'essentials - Mata hati telinga (Organic Records)
Maliq & D'essentials - The Beginning of a beautiful life (Organic Records)
さらに増えて7人組。都会的なグルーヴとどこか青さの残るピュアな感じがたまりません。そしてジャケットのこだわり様が凄い。全てにおいてハイセンス過ぎません?衝撃的!
(5.) スウィッシー - シー・スマイルズ (production dessinee)
"プロダクション・デシネ史上最高の歌声"。昨年の来日時には生で聴けて本当に感動しちゃいました。リクエストしたオーストラリアのバンド"Frente!"のカバーを演ってくれたのは嬉しすぎました。
(6.) The Camerawalls - Bread and circuses (Lilystars Records)
ここに挙げているどの作品よりも"アジア"な雰囲気は感じさせないかも。中性的な歌声も素敵な、驚くほどに洗練された極上ポップスでスッゴイんですこのバンド。
(7.) Estrella - ST (2007) (Laguna Music)
青く清々しい名曲「Stay」がスゴい。これをキライな人っているんでしょうか...?惜しくも解散してしまっていますが、Liyanaちゃんのソロ活動も着々と進行中だそうで楽しみです。
(8.) Yuna - Decorate (Yuna Room Music)
スカーフを現代風にスタイリッシュに着こなしてしまう姿からも垣間見れる、異国情緒と洗練された都会のセンスを併せ持つ彼女。切ないメロディと透き通るような歌声が心に響きます。
(9.) Yeongene - Me and my burt (Beatball Records)
ブロッサム・ディアリーを敬愛してやまないと言う彼女のウィスパーボイスと、お馴染みバカラックの素敵なメロディの融合。悪くなる訳無いです。マリ・ペルセンの韓国盤ライナーを彼女が手掛けたというのも納得。
(10.)Julia Hart - Hot Music (Stone Age)
韓国から届いたグラスゴーサウンド?な音を聴かせてくれる彼らは、韓国のTeenage Fanclubとも呼ばれているそう。キラキラしたギターと胸キュンメロディがあれば、国なんて関係無く素敵な音楽になるんです。
(11.) The Black Skirts - 201 (Doggy Rich)
もうジャケットから何からインパクトのかたまり!「こんなバンド他にいますか?」って聞かれたら、確実に「居ませんっ」と答えます。スゴイ!製作中の新作にも期待大。
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いかがでしたか?恐らくどれも皆様が持っている"アジアの音楽"のイメージとは違っていたのではないでしょうか?
アジアには知られていないけどこんなに素敵な作品があるんです。
さて、これだけ紹介しておいて言うのも何ですが実はこれらの作品はアジアである必要は一切無いんです。どこの国、いつの時代に鳴っていようと素晴らしいそんな音楽達なんです。そして本当に嬉しいのは、これらも"氷山の一角"に過ぎないと言うコト。きっと今も素晴らしい音楽が生まれている、もしくは過去に吹き込まれた素敵な音楽がどこかに眠っている。そう思うと楽しいですよね。次回はいつになるかわかりませんが、今後もアジアの素敵な作品をドンドン紹介して行きたいと思いますので「亜細亜通信 vol.2」にご期待下さい!
ディスク・デシネ / 小田 裕樹 (2011.02.11)
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音楽コラム"complesso"#8
自分自身の事では何も自慢するような事は無い僕ですが、レーベル「プロダクション・デシネ」でリリースさせてもらっているアーティストや、その素晴らしい作品達は"声を大にして""自分のことのように"自慢したいんです(だから、一所懸命リリースし、色んな人達に聴いてもらいたいと思っています)。と言う事で、「プロダクション・デシネ」の2010年、結構頑張りましたので、振り返ってみます。
(1.) Pierre Cammas - Le Piano de Pierre Cammas
ピエール・カマス 『ル・ピアノ・ドゥ・ピエール・カマス』(PDCD036/VSCD9367 ¥2,730)
春の香り漂うフレンチジャズの知られざる名盤。権利関係のクリアも"相当"大変でしたが、長年の夢が一つ叶いました。聴く度にウキウキ出来る名盤です。
(2.) Jean-Pierre Fouquey - Railroad
ジャン・ピエール・フーケ 『レイルロード』 (PDCD037/VSCD9368 ¥2,730)
迫力の電車ジャケットも抜群。美しい旋律満載の名盤です。これはジャケットのデザインでさり気なく頑張っています。誰も気付いて無いと思うけど(笑)。
(3.) Birgit Lystager - Ready to meet you
ビアギッテ・ルスゥトゥエア 『レディ・トゥ・ミート・ユー』 (PDCD038/VSCD9369 ¥2,730)
ビアギッテの1970年代の3部作も念願でした。しかも、肝心なのはイイ音でやるって事。ジャケットも会心の出来映えでした(自画自賛)。
(4.) Birgit Lystager - Love's Labyrinth
ビアギッテ・ルスゥトゥエア 『ラブズ・ラビリンス』 (PDCD039/VSCD9370 ¥2,730)
ジャケットの色見が意外に難しくて難航した1枚です。最終的には納得の仕上がりで、ビアギッテにも(すっごく)誉めてもらいました。
(5.) swissy - rainy days e.p.
スウィッシー 『レイニー・デイズ・イー・ピー』 (PDSP002[アナログ盤] ¥1,470)
久々のアナログ盤。スウィッシーと言う才能との出会いは嬉しい反面、恐ろしさも。だって、こんな才能他には居ないと思うんで...。
(6.) Tony de Vita - Softly as I leave you
トニー・デ・ヴィータ 『ソフトリー・アズ・アイ・リーヴ・ユー』 (PDCD040/VSCD9371 ¥2,730)
誰も知らない大名盤。リリース前のGoogle検索結果はゼロ(笑)。この時代にそんなことが起こりえるのか?と言う現象ですが、その内容は知名度とは完全に反比例。ジャケットも最高でしょ。
(7.) Eugen Cicero Trio - My Lyrics : Eugen Cicero in Tokyo
オイゲン・キケロ 『マイ・リリックス : オイゲン・キケロ・イン・トーキョー』 (PDCD041/VSCD9372 ¥2,835)
彼の作品は基本的にどれも好きなのですが、本作は別格。「花」を聴く度に心洗われます。ジャケットの仕様も凝りまくってます。利益ゼロです(笑)。
(8.) Armando Trovaioli - Dramma Della Gelosia
アルマンド・トロヴァヨーリ 『 ジェラシー(サウンド・トラック)』 (PDLP006[アナログ盤] ¥3,500)
少し大袈裟ですが、これは夢の1枚。きっと一生の想い出になると思います。あんまり売れなかったけどネ...。
(9.) Napoleon - Bohemians Won The Series & The Little Guy Joined The Band
ナポレオン 『ボヘミアンズ・ウォン・ザ・シリーズ・アンド・ザ・リトル・ガイ・ジョインド・ザ・バンド』 (PDCD042/VSCD9373 ¥2,415)
恐らく2010年で最も説得力がある1枚はこれでしょう。スケールが大き過ぎて、生粋のロック好きには全く受けないんだろうな...。
(10.) Hanne Vatnoey - Me and My Piano
ハンネ・ヴァトネ『ミー・アンド・マイ・ピアノ』(PDCD043/VSCD9374 ¥2,415)
無限の才能を感じさせるノルウェーの女の子。ツアーまでやっちゃうパワーに圧倒されますが、音楽のクオリティはさらにスゴいから驚きです。
(11.) Elegante Orchestra - It was too hot in there
エレガンテ・オーケストラ『イット・ワズ・トゥ・ホット・イン・ゼア』 (PDCD044/VSCD9375 ¥2,415)
これってホントにスゴい作品だと思います。まさに現代に甦る(イタリア版)サルソウル。ボーナス曲として収録された「Summer Wind」が爽快度マックスの鬼名演です。
(12.) Monica Dominique - Mitt i mej
モニカ・ドミニク 『わたしのまんなか (Mitt i mej)』 (PDCD046/VSCD9377 ¥2,625)
モニカさんってホントにスゴい人。何をやってもモニカさんの音楽です。子供向けの音楽ながら、ここまで人を感動させるって...。
(13.) Tess Henley - Easy to love
テス・ヘンリー 『イージー・トゥ・ラブ』 (PDCD046/VSCD9378 ¥2,100)
アルバム録音時はまだ20歳だったと言うテスちゃん。名曲「イージー・トゥ・ラブ」を聴いていると、全くそんなことが信じられません。とにかくスゴい才能かと。
(14.) Mateo Stoneman - Mateo
マテオ・ストーンマン 『マテオ』 (PDCD045/VSCD9376 ¥2,415)
2010年最大のディスカヴァリーです。この圧倒的なまでの音楽の力に呑み込まれました。今一番ライブを観たいアーティスト。そして彼はライブがスゴいのです。来日希望!!!
(15.) Frankie Zhivago Young - The Age of Flying High
フランキー・ジバゴ・ヤング 『エイジ・オブ・フライング・ハイ』 (PDCD048/VSCD9379 ¥2,625)
"オー・ベイベー~"な出だしからKOされます。そして極めつけは極上ソウルの「Someone stole your love」。イナタくも愛らしいアイランドソウルの激レア盤、復刻。
(16.) Marc Deschamps - Sucre sale
マルク・デシャン 『シュクレ・サレ』 (PDCD049/VSCD9380 ¥2,625)
この名作で2010年のプロダクション・デシネは締めです。美しく儚いメロディの応酬。本気でこの作品は「プロダクション・デシネ」の為にあるんじゃ無いか?と、錯覚しました...。
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ちょっと驚きですが、2010年のプロダクション・デシネのリリースは実に"16タイトル"。自分でやっててビックリです(笑)。副業にしてはかなり頑張っているのでは無いかと思います。ま、そんなことはどうでも良くて、少し誇りたいのはどの作品も素晴らしいクオリティと感動をもたらしてくれる名作ばかりである事。ポリシーを一切曲げずに、これだけのラインナップを展開出来、活動を継続出来ている点は、少しだけ評価してもらえるかな?。ま、それもどうでも良くて、何より素晴らしい音楽を残してくれた優れたアーティスト達、そして現在も良い曲を書き続けてくれているアーティスト達がスゴいのです。そして、全く知名度がないアーティストの作品であっても、しっかりと耳を傾けて購入して下さる皆さんに感謝です。音楽そのものに形は無いので、データでも何でもやり取りは簡単なんですが、それって違うなぁ、と実感させてくれる(ハズの)名作達です。末永く可愛がってあげて下さい。
プロダクション・デシネ 丸山 雅生 (2010.12.30)
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音楽コラム"complesso"#7
(1.) Arnaud Fleurent-Didier - La Reproduction (Sony)
大名曲「Reproductions」の儚げなフィーリングは永遠です。緩やかに登り詰める中盤の高揚感に絶句したこと1000回以上。
(2.) 矢舟 テツロー - エイジ・オブ・ヴィンテージ (Vivid Sound)
2010年はヤフヤフの年、って気分です。全てのアルバムが素晴らしいのですが、個人的には1stアルバムに収録の名曲「ごめんなさいと言って」がフェイヴァリット
(3.) Manuela - A different kind of fire (Golden Recordings.)
もしかすると2010年のベストタレント?って位に素晴らしい才能です。ソウルフルな歌声にKOされます。「Circling Numbers」がスッゴイ。新曲が楽しみ過ぎます。
(4.) Adhitia Sofyan - Quiet down (Independent)
哀愁の背中ジャケが素晴らし過ぎます。インドネシアの歌心、アディティア・ソフィアン。もっと色んな人に聴いて欲しいなぁと思える心に響き名作です。
(5.) Estrella - ST (2007) (Laguna Music)
名曲「Stay」とLiyanaの歌声の清々しさ。マレーシアが生んだ最高のインディバンド。解散してなければなぁ...。最近は、Liyanaのソロに注目しております。
(6.) Veronica Maggio - Och vinnaren ar... (Universal)
スウェーデンではセレブ、でも日本じゃ全く無名。ありそうでありえない、センスの塊みたいな女の子、ヴェロちゃん。
(7.) Maren Parusel - Days in universe (requiemme)
秘かな愛聴盤・オブ・ザ・イヤー。突出している訳じゃないけど、何故かすぐに聴きたくなるのが魅力です。こう言うのがもっと親しまれる世の中になって欲しいです(笑)。
(8.) Alpha Latino - Alpha Latino Live (1990) (Alpha Productions)
1900年の作品ですが、7'のデッドストックとともに発掘した極上過ぎる1枚。歌心を感じさせる楽曲が涙モノ。時代に取り残された奇跡です。
(9.) The Clown - Clownism (Hjordisc records/production dessinee)
3年連続のザ・クラウンです。もはや僕の脳ミソの一部として機能しています。名曲「Pick me up」は人生のベスト10に入っちゃうかも...。
(10.)
Alpha-Jazz - Farbe-Blues / Samba de Amor (Zyt-Vertrieb)
Jean Buisine - Championnats du monde d'halterophilie (RSN)
デッドストック・オブ・ザ・イヤー × 2。どっちも前人未到の快挙です。世界中探しても、ディスク・デシネにしか在庫はありません。たぶん。
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と言う具合に、今年も良い曲沢山ありました。って言うか、"知られて無いだけで、ステキな曲は沢山あるんですよ~"って事、知ってました?
さて、ここで大切なことを一つ。これら素晴らしい名曲達は、"これからも名曲であり続ける"と言う事です。当たり前ですけど、何十年経っても音溝に刻み込まれた音は変わりません。変わる物があるとしたら、それは聴く人の感覚や好みであって、そこに音楽の善し悪しは関係ありません。旬な時期が過ぎたら取り扱わなくなるとか、新譜じゃ無いから取り扱わないとか、そんなのどうでも良いこと。音楽業界の風潮がそうであっても、ディスク・デシネには関係ありません。好きだからお店で取り扱いたい、好きな音楽だからこそ、顧客の皆さまに聴いて欲しい。シンプルな事を2011年も引き続き継続して行きたいです。(「2010...(手前味噌版)」へ続く...)
ディスク・デシネ / 丸山 雅生 (2010.12.29)
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音楽コラム"complesso"#6
自分自身の事では何も誇るような事は無い僕ですが、プロダクション・デシネでリリースさせてもらっているアーティストや、その素晴らしい作品達は"声を大にして""自分のことのように"自慢したいんです(だから、一所懸命リリースを続けているのです)。と言う事でプロダクション・デシネの2009年、やや頑張りましたので、おさらいしてみます...。
(1.) Ray Wonder - Good Music Plus (PDCD023 / VSCD9354 \ 2,520-)
プロダクション・デシネ、2009年の幕開けは、僕がレーベル設立時から(勝手に)夢見ていた、僕にとっての伝説の最強バンド"レイ・ワンダー"からスタート。僕も人並みか、人並み以上に色んな音楽を聴いて来ましたが、彼等のスゴさは断トツ。もはやロックバンドとして"どう"、とかの次元では無いのです...。まさしく"グッド・ミュージック"なのです。ちなみに、この作品以降の、プロダクション・デシネのリリースのジャンルは全て"グッド・ミュージック"に決定しました(笑)。詳しくはCD帯の下の方をご覧下さい。
(2.) The Clown - Clownism (Japanese Deluxe Edition) (PDCD024 / VSCD9355 \ 2,730-)
このアルバムは、一生かけて売り続けたい、かも。今ままでリリースした作品は全部大好きで、だからこそリリースさせてもらっているのですが、この作品だけは別格かも知れません...。
(3.) Ray Wonder - Superwonder (The Best of Ray Wonder) ( PDCD025 / VSCD9356 \ 2,520-)
まさしく彼等は"スーパーワンダー"。自分にとっての"ベスト"バンドの、さらに究極のベスト盤。もう、どうしたら良いんでしょう.ジャケットも間違いなく"スーパーワンダー"です。
(4.) Hank - The Family Album (PDCD026 / VSCD9357 \ 2,520-)
「Cad III」のイントロの時点で笑いが止まりません。ヘンリックが天才なのは知っていましたが、ちょっと神がかっていると言う事を知りました...。
(5.) Giorgio Tuma - My Vocalese Fun Fair (PDCD027 / VSCD9358 \ 2,415-)
(6.) Giorgio Tuma - Uncolored (Swing'n'pop around Rose) (PDCD028 / VSCD9359 \ 2,415-)
南イタリアが生んだ"ピュア"な天才SSW、ジョルジオ。まさか今のイタリアからこんな才能が出て来るとは...。この人は、まだまだ伸びて行くんでしょうね...。楽しみ過ぎます。
(7.) Cravo & Canela - Preco de Cada Um (PDCD029 [PDCD007] / VSCD9360 \ 2,730-)
ピエール・マイゼロワ、ビアギッテ・ルゥストゥエアに続く再リリース作品。良いモノはマイナーでも売れる、と言う事を再び実感させてもらいました。国産のハイクオリティ印刷で表現された紙ジャケットも最高ですネ。
(8.) Roberto Pregadio - Alle Tastiere (PDCD031 / VSCD9362 \ 2,730-)
昨年のモニカ・ドミニクに続く、僕の長年の愛聴盤を奇跡の復刻。マスターテープがオフィスに届いた瞬間の喜びは言葉に出来ません。流行り廃りに関係無く、いつまででも聴いて頂ける名作だと思います。やや偉業...?
(9.) Victor Sabas Quartet - A Pou Zot... (PDCD032 / VSCD9363 \ 2,730-)
全く無名の"名作"。音だけで勝負すると言うのは、プロダクション・デシネにとっては"全然"当たり前の事ですが、この作品は、ホントに誰も知りませんでした(笑)。しかも、権利交渉も2度流れて3度目の正直で遂にクリア。その心意気も合わせて聴いて頂きたいです。
(10.) V.A.(Compiled by Masao MARUYAMA) - musique dessinee 03 ~ Essence (PDCD033 / VSCD9364 \ 2,835-)
少し遅くなりましたが、シリーズ3作目が出来ました。沢山の人に「次はいつ?」、「楽しみにしてるよ」のお声を頂きました。ありがとうございました。と言う事で、今回もマイペースに期待はずれな作品が完成しました(笑)。しかし、収録曲は、いずれも"ホント"の名曲ばかりと信じます。素直な耳で聴いてもらえると嬉しいです。
(11.) Martin Haak Kwartet - Retouch (PDCD034 / VSCD9365 \ 2,730-)
2009年の最も"粋"な逸品になりました。難しい事は何もありません、ただただ美しく感動的な「For no one」の名カヴァーに耳を傾けてみて下さい。
(12.) Swissy - She Smiles (PDCD035 / VSCD9366 \ 2,415-)
2009年最大の衝撃。「Rainy Days」に心底驚き、「How It All Started」で号泣する。こんなに良い作品、もう二度と出会えないんじゃないかと心配です。でもま、これがあればもう良いような気もしますけど。ディスク・デシネの全てのお客さんに聴いてもらいたい、と言うか世界中の音楽好きに聴いてもらいたいです。
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2009年のプロダクション・デシネのリリースは全11タイトル。どちらかと言えば僕は、ディスク・デシネでのバイヤー業とかが本職なので、その隙間を縫って結構働いたなぁ... と言うのが、率直な感想です。当たり前の事ですが、どの作品も素晴らしく、是非とも色んな人達に耳を傾けてもらえればなぁと思っています。残念ながらプロダクション・デシネは、所詮は地方の弱小インディレーベルです。大きな力や知名度、財力は皆無です。それでも僕は、自分が受けた感動をちょっとでも他の人に伝えられればと思いこのようなリリースを続けています。なので、少しでもウチの作品を気に入ってくれたリスナーの皆さんが、"マイナーだけどこんな作品があるよ"、と広げて行ってくれれば嬉しいです。いつまで続けれるかは分かりませんが、今後とも何卒宜しくお願いします。
プロダクション・デシネ 丸山 雅生 (2009.12.29)
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音楽コラム"complesso"#5
「ん、もう年末...?」。
結局、去年と同じような出だしになりましたが、やっぱり今年も同じ気分です。一年を振り返る時期がやって来たのです。思えば、2009年はかなり熾烈な一年だったかも知れません。何と言っても、一年通じて殆どお休みを貰った記憶がありませんから(笑)。そして、我が街・神戸は、日本国内での"新型インフルエンザ"発症(発祥)の地となり、街中から殆ど人が居なくなると言う寂しい現象にも遭遇しました。さらには長引く"不況"ってヤツも。円高は嬉しいけれど...、モノが売れなきゃ商売にはなりませんから。そして肝心要の音楽業界ですが、これは前者達とは比べ物にならないほど悲惨だったようで...。もちろん、当店も存続の危機に瀕している訳で、お先も真っ暗ですが、僅かな希望と言うか、個人的に嬉しかったのは『それでもイイ曲は沢山生まれ続けている』と言う事実。これは、当店ディスク・デシネが単なる、中古盤専門店、レア盤屋じゃなくて良かったぁ~、と思える一番のポイントです。だって、後ろ向きよりは前向いている方が、ホントに楽しいんですから...
(1.) The Clown - Clownism (production dessinee)
ええ、そうです。2年連続です。もはや名曲「Pick me up」は僕の心の名曲となりました... 永遠に。この素晴らしさが分からない人...、ホントに可哀想。
(2.) Geyster - No kiddin' (Somekind Records)
ハイペースで完成した3rd。まずは「Change Of Heart」で涙、そしてフロアで爆発する「Come My Direction」が最強のキラー!数多いミュージック・デシネ・クラッシックの中でも、断トツの美メロ・ダンサー!!
(3.) Kaleo - Aloha Monday (CCRE Music)
まさかまさかのハワイアン・メロウグルーヴのニューカマー。もしかして、どんなハワイアンのレア盤よりも好きかも。って位に素晴らしい歌声と歌心満載です。何万もするようなハワイ産のレア盤買うよりも、このCDを10枚位買っておいた方が良いんじゃないでしょうか...。
(4.) Mari Persen - Mari Persen (Music For Records)
スミマセン、ザ・ロイヤリティーズよりも好きかも...。たぶん、ギターポップとか、ロックとかそう言うキーワードを気にする人が聴いたら"フーン..."って感じなんでしょうけど、僕的には"怒"ストライク。名盤です。
(5.) Rodrigo Del Arc - A kind of bossa (Omagatoki)
才能ってヤツ?曲良し、声良し、顔良し、センス良し... 他にも何か要りますか???これでさらにジャケットが良ければ、ホントにエグかったかも知れない、脅威のブラジルのSSW。
(6.) Matthew Halsall - Sending my love (Gondwana Records)
あんまり垢抜けていない感じも...(スミマセン)。しかし、故にその音楽は、心の奥にまで染み込むような...。英国(非クラブ)ジャズの未来に、やや可能性を感じました...。体育座りジャケットもイイ
(7.) Smooth Reunion - Cleaning up the businee (P-Vine)
これまた若者による信じられない1枚。名曲「Bmpd」で瞬殺されました。スウェーデン、恐るべし。
(8.) Nat King Cole/V.A. - Re:Generation (EMI)
衝撃度ナンバー1かも。いわゆるリ・エディットなんですが、「Lush Life」が悪夢のようなカッコヨサ。まるでミュージック・デシネのパーティーの為にあるかのような、極上のドラマチック・ダンサー!
(9.) Quantic & His Combo Barbaro - Tradition in Transition (Tru Thoughts)
この人昔からスゴいんですが...、もう行くトコまで行っちゃった感じです。そしてそれがまたスゴかった。もはや比較対象無し...。
(10.) Patrice Caillet - Discographisme recreatif 2009 (ed. bricolage)
パトリス・カイエがまたやりました。この人、メチャクチャ男前で、しかも素晴らしくイイ人なんですが。その上にセンスも良いってどう言うこと?そんな、ファンタスティックなフランス人が作った、(ホントの意味で)洒落心満載の楽しいレコード・ヴィジュアル本。
(11.) Waltz for Sweetie CD Bag (la reine Reinette x production dessinee)
今年も懲りずにグッズ制作を行いましたが...、中でもレネットさんとのコラボは、遂にホントの意味での"コラボ"になりました。末永く愛される一品であって欲しいです...。
(12.) V.A. - More Ethiopian soul and groove (L'arome Productions)
未開の境地。世界には、まだまだそんなのがあるんでしょうか?この情報化社会下で、いよいよその一部が日の目にさらされつつあります。エチオピアのグルーヴィーな音楽...、それだけでもヨダレ物。.
と言う具合に、今年も足早に振り返ってみました。こうして俯瞰してみると、やっぱり自分の好きなモノはいつも同じような感じですネ。"バカの一つ覚 え"ってヤツ?まぁ、もう10年以上この感覚がブレる気配も無いので、もしかしたら一生このままなんでしょう。とにかく"ジ~ン"と"感動"出来る、"メ ロディ"の"イイ曲"。そんな感じの曲を探し続けるのが僕の仕事だと思っているので、2010年もガンバリマス。皆さん、少しづつでも良いので、気に入っ たアーティストや音楽の"CD"や"レコード"買って下さいネ。ダウンロードだけじゃ、アーティストも可哀想ですよ。ちなみに、上記の12枚、基本的には 順不同です。
(「2009...(手前味噌版)」へ続く...)
丸山 雅生 (2009.12.19)
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音楽コラム"complesso"#4
店頭に来られたお客様に一番良く聞かれる質問が、「自宅でカフェ気分を味わえるCD / レコードはありますか?」。コレ、理想ですよネ。お家で美味しい(か、どうかは分かりませんが)コーヒー片手に、ぼーっとしながら本を読んだり、空想に耽ったり。何時間居座ったって冷たい目で見られることもない、"うちカフェ"。お洒落なインテリアに囲まれたカフェで流れる音楽は、どこか"特別"お洒落に聴こえるモノですが、それじゃ逆に、お洒落な音楽を流せば、たちまち自宅がお洒落カフェになるのでは...?!というコトで、音が零れ落ちた途端、人気のカフェにも負けないような、いつもとちょっと違う"特別"な空間を作りだしてくれる10枚を選んでみました。
(1.)Caetano Veloso & Gal Costa - Domingo (ユニヴァーサル)
若き男女が作り上げた最高の"日曜日のBGM"。何とも言葉に出来ないこの独特の雰囲気は、何もしないで、ただボーっとしている時の何とも言えない幸福感そのもの。"うちカフェ"に求めるモノって、この幸福感だと思うのですが、如何でしょう?
(2.) Cartola - Verde que te quero rosa (BMG)
苦味とコクが魅力のマンデリンコーヒーのような1枚...。とか格好イイ事を言いつつ、ジャケットで選びました(笑)
(3.) Pery Ribeiro + Bossa 3 Encontro (EMI / Odeon)
コレは私のコーヒー・タイムにマストな1枚!香ばしくて、エスプリな雰囲気溢れる小粋なボサを披露してくれるPery Ribeiro。そして、彼のジェントルな歌声のバックを務めるのがBossa 3なんだから、コレは文句なしでしょう。
(4.) Chet Baker - It could happen to you (Riverside)
このアルバムが、というよりチェット・ベイカーの歌声が"特別"な空間を演出してくれるんですよネ。正直、昔は"シャキ"っとしない彼の歌声が好きじゃなかったんですが(笑)、歳を重ねると共に、何とも言えない脱力感が妙にツボに...。
(5.) Andrea Pozza Trio - Drop this thing (Deja Vu Records)
「Nebulosa」に、「不思議の国のアリス」、「Perfect day」など聴き馴染みのある名曲を多く取り上げてくれているのも嬉しい1枚。本格的なピアノ・トリオ作品なのに、全く重さを感じさせない彼らの演奏は、何杯(回)でもおかわりできちゃいます。
(6.) Serpentina - Planeando en tu azotea (Elefant Records)
この胸をググッと掴まれる感じは何でしょう。情熱的でも感情的でも決してないのに、胸の奥がジーンと熱くなる「Querido miedo」が大好きです。うっかり昔の彼氏とか思い出してしまいそうです...(笑)
(7.) Cloudberry Jam - Right Here right now (Handcutsrecords)
彼女たちの音楽って、どんな悲しい失恋ソングだって、聴き終わった後には幸せな気持ちになれるから不思議。甘酸っぱくてポップでちょっぴり物悲しいメロディと歌声は、永遠に尽きることのない、乙女たちの恋バナのBGMにピッタリでは?
(8.) 原田知世 - Music & me (Avex)
彼女のフワリとした空気感と、透明感が見事に音楽に溶け出た1枚。彼女のようなステキな女性になれないのは無理も承知。それでも、このアルバムを聴きながら、コーヒー片手に本をパラパラ~とめくれば、すっかり気分は...。
(9.) Michel Klotchkoff Trio + Chris Woods - Full space (Celeste)
「ジャズを好んで聴くようになったのはいつからだろう?」と考えた時、頭に浮かんだのがこのアルバム。""難しそう""というイメージを、オープニング曲「Full space」が一蹴してくれた、私にとって大切な1枚。様々な「色」を感じさせる音楽たちは、まるで""観る""ように""聴く""コトが出来る音楽...。何かをしながら、ではなくて、音楽に向き合って、描き出される色鮮やかな世界を"観て(聴いて)"欲しいなぁ
(10.) Giorgio Tuma - My vocalese fun fair (production dessinee)
一瞬で空気を変えてしまう音楽。""ココ""ではないどこかへトリップさせてくれるような音楽。そんな魅力(魔力?)を持った音楽、それがジョルジオ・トゥマさんのこのアルバム。音が零れ落ちるたびにローラーコースターが夢の世界へと連れ出してくれます...
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私自身、CDやレコードを選ぶ時、「あっ、コレはモーニング・コーヒーのBGMに合うな」とか、「コレは一仕事終えて、ちょっとホッとする時のコーヒー・タイムにピッタリかも」とか、"音楽"+"生活の中のシチュエーション"+"コーヒー"を結びつけてイメージするコトがとても多いです。可愛いマグカップを選ぶように、美味しいコーヒー豆を買うように、音楽もインテリアの一部に取り入れたら、もっと理想の『うちカフェ』空間を演出できるんじゃないかなーと思います。
「手間隙かけて美味しいコーヒーを作る」ように、「レコードを裏返して針を落として...」というひと手間とか、CDをたくさん持ってきて「どれにしようかなぁ」なんて散かしながら選んだり、とか、そういう"アナログ感"って、いくらデジタル化が進んでも必要だと思うんですよね。
今の時代、利便性を追求してどんどんデジタル化されていく中で、あえて"面倒くさいコト"をするコトがゆとりの証だったり、逆にそこからゆとりが生まれるのかも?ディスク・デシネを利用して頂いている皆さまには、いつまでも"アナログ感"を大切にして頂きたいデス...。そうである限りは、ディスク・デシネはなくならないでしょう(笑)
(橋田 純 / 2008.06.10)
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音楽コラム"complesso"#3
「え、もう年末...?」。ディスク・デシネを始めてからと言うもの、毎年のようにそんな事を言ってる気がします。やっと、通年業務の流れが掴めて来た頃には、プロダクション・デシネと言うレーベルを始めてしまい忙しさは倍増。
そのペースも何となく読めて来た頃には、お店の移転で激務。さらに毎年・年末には(既に恒例の)DJパーティー『musique dessinee』の"お祭り仕様"の開催と、年末は常にドタバタしている気がするのですが、たまには"普通の"年末気分を味わいたい!と言うことで、僕の2008年を彩ってくれた素敵な名曲達を(柄にも無く)振り返ってみることにします... (当然のことながら、一番よく聴いてて、思い入れもたっぷりの"プロダクション・デシネ"でのリリース作品は割愛しております。言うまでも無く、全作品" 最高"ですから!)
(1.)The Clown - Clownism (Hjordisc records)
今、一番プロダクション・デシネでリリースしたい作品は?って聞かれたら、ほぼ確実に"コレ"って答えます。もう、奇跡としか言い様の無い"感動"と"メロディ"の数々。今の僕にとっては、アルバム全てがパーフェクトな位にスバラシイ。Henrikの歌声/ソングライティングには、確実に魔力があります。切なさ、儚さ、優しさが渾然一体となって込み上がる「Pick me up」のフワッとした感じに、いつまでも包まれていたい気分です...。ダントツで、2008年最も"感動"した逸品。
(2.)Sissy Wish - Beauties never die (Flake Sounds)
こう言う才能のある人は、是非ともバカ売れして欲しいと切に願います。あと、ついでに来日してライブとかもして欲しいなぁ... 100%の確率で観に行くでしょう&最前列狙います。
(3.)Final Solution - Brotherman (Numero)
衝撃度・No.1です。有名なアーティストのデモテイクとか、どうでもイイ感じの未発表曲とかならどうでも良いんですケド、こう言う内容がスゴ過ぎる"未発表音源/作品"とか、本気でスゴすぎる...。
(4.)It's a Musical - The music makes me sick (Morr music)
滑り込み"ミラクル"。ジャケのセンスも素晴らしい。まさに、言葉が無力化させられる感じです。タイトルも天の邪鬼な感じでソソりますネ...。
(5.)Andrea Pozza Trio - Drop this thing (Deja Vu)
公私共々仲良しのパオロがリリースした、idea 6に続く(素晴らし過ぎる)イタリアンジャズの"今"。ブームに乗って(か?)、雨上がりのタケノコのように出て来る"今のジャズ(クラブジャズって言うの?)"っぽい人達とは桁違いのセンス/エレガンスに彩られた名作。流石...。
(6.)Caitlyn - Brain vs heart (Dreamusic)
『思い出のサニー・ドリーム』って邦題はどうかと思いますが(笑)、確かに"うんうん"とうなずいてしまう位に"青くて爽快"な名曲「Scenes From a Sunny Dream」がサイコウ!忘れてた何かを、隅々まで(必要ないことまで(笑))思い出させてくれます...。
(7.)Archie Cavanaugh - Love Birds (Archie Cavanaugh)
ロジャニコ(←も最高!)を筆頭に、今年もカムバック作品は色々とありましたが、28年振りに復帰作を発表したこの人もスゴかった。しかも、そのサウンドがほんのりアーバンに進化してるところもスゴかった!日本盤はいつ出るんでしょうか?
(8.)Joel Alme - Master of Ceremonies (Sincerely yours)
この、ややモサッとした歌声がダメな人はダメなんでしょうか...?しかし、熱く込み上がるコノ感じには滅多な事では出会えませんヨ。激しく叩かれるピアノと華麗に舞うストリングスの格好良さは言葉になりません!
(9.)Geyster - Everytime I see your face (P-Vine)
大躍進の2nd。思いっきり歌モノ・ハウス指向だった前作から、より"ソウルフル"に、より"歌心"を増した極上メロウな傑作。「Runaway car」なんて、驚愕の名曲でしょう...。
(10.)Elias & The Wizzkids - Little Mess (Thistime)
すみません、アルバムは通してちゃんと聴いてません。でも「24」は何百回も聴きました。聴けば聴くほど胸に沁みるんです...。
と言う感じで、足早にお届けしました。今回は、2008年にリリースされたモノ、お店に在庫のあるモノの中から選びました。詰まるところが、新譜じゃなくなっても、話題性が薄れても、みんなの記憶の片隅に追いやられても、世の中的には終わっちゃった感じになっても、ディスク・デシネで、ズッ~と定番として売って行きたいモノ、を選んだ"だけ"です。それが昔から変わらない商品セレクトの基本であって、"売れる商品を見つけて来る"んじゃなくて、" とことん好きな作品を紹介して行く"のが、僕の仕事な訳です。だから、ジャンルも年代もスタイルも何も関係無いのです。いつ聴いてもイイなぁと思える作品と言うのは、全て"たった一つ"の共通項で繋がっているだけに過ぎません。そう、"感動出来るメロディが、素敵にデザインされて鳴らされる"って事です。それを皆さんが気に入ってくれて、買ってくれたりすると、なお嬉しい訳です。そうなれば、今以上にドンドン張り切ってしまえるハズです(笑)...。オシマイ。
(丸山 雅生 / 2008.12.30)
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音楽コラム"complesso"#2
雨の日って大っキライ。靴の中までビショビショになって気持ち悪いし、洗濯できないし、傘を持ち歩かないといけないし・・・
でも歳をとるにつれて、私の中の『キライ度数』もちょっと落ち着いてきたような。大人になったのでしょうか?きっと、雨の日なりの楽しみ方ってやつを見つけられるようになったのでしょうね。きっと雨も考え方を変えれば素敵なモノで、好きになれるんだろう、とは思うのですが。だって雨を歌った歌って多いですから。ショパンだって、バカラックだって、カーペンダーズだって、 八代亜紀だって(笑)。
という訳で、『雨』が好きになれるように、『雨』にまつわる曲たちを集めてみました。
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- 降り始め -
まずは Postmarks「Looks like rain」(1.) 。何だかスッキリしない表情を浮かべるジャケットからして、『雨』でしょう。そして彼女の憂いを帯びたウェッティーな歌声はシトシトと降り続ける小雨のようです。同じく『シトシト・小雨』タイプなのが、Room Eleven「Rainy day in the sun」 (2.)。ポジティブさとネガティブさの両方を感じさせる歌声は、まるで天気雨みたい。この雨、理論的に言うと遠くで降った雨が風に流されてきているそうです。太陽の光でキラキラ光ながら舞い降りてくるこの雨はとてもキレイで私は好きだなぁ ... 日本から遠く離れたスウェーデンで生まれたKuryakinの「Rain」(3.) で歌われた雨はこんな雨だったのかも。そして夜の間中、静かに降り続ける雨は、ケニー・ランキンの「Here's that rainy day」 (4.) 。静寂の中に響き渡るベースの一つ一つの音は、まるで地面にポツポツと落ちる滴の音みたい。静まり返った部屋に微かに聴こえてくる雨音の感覚に似ています ....
(1.)The Postmarks - The Postmarks (Victor Entertainment)
(2.)Room Eleven - Mmm Gumbo (Universal)
(3.)Kuryakin - Fought a war ep (Fastcut Records)
(4.)Kenny Rankin - Album (Rankin Music Productions)
- どしゃ降り -
靴も髪も雨に濡れても、肌寒くっても、それでも『雨のロンドンが好きっ』なんて魅惑のウィスパーボイスでさらっと歌っちゃうブロッサム・ディアリー(5.)って素敵。大人だなぁ ... 彼女がそう言うと"確かに雨も悪くないかも?"なんて思えてきます。カトリーヌ・ドヌーブ主演の映画『シェルブールの雨傘』に登場するような色鮮やかなお洒落な傘をさして、「Springrain」のジャケット気取り...なんて一人女優ゴッコするのも面白そう。女優ゴッコのBGMには、コチラも魅力的な大人の女性、弾けんばかりの笑顔のエリス・レッジーナ (6.) が残した『シェルブールの雨傘』の主題歌カヴァーなんて如何でしょう?
(5.)Blossom Dearie - Thats just the way I want to be (Universal)
(6.)Elis Regina - Como & porque +4 (Universal)
- 雨上がり -
雨が上がった時に感じるあの嬉しさは、何歳になっても同じなのでしょうか。雲の隙間から少しずつ光が差して、いつもより景色が鮮明に、そしてキラキラして見える雨上がり。そんな景色を歌っている(と勝手に思っている)のが Eighth Dayの「Raining sunshine」(7.) 。そして雨上がりの一番の喜びと言えば、人生でも数える程しか見たことがない『虹』。その『虹』が出る可能性が一番高いのが「天気雨」の後だそうです。と言う訳でこのコラムのラストを飾るのは荒井由実さんが歌う 「天気雨」 (8.)。イントロで感じる素敵な予感は、きっと「コレ」だったんですね。
(7.)Eighth Day - On (Universal)
(8.)荒井 由実 - 14番目の月 (Toshiba EMI)
(橋田 純 / 2008.06.8)
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音楽コラム"complesso"#1
で、『青メロ』って何よ?ってことですが、別にそれが「切メロ」でも「哀メロ」でも良かったんですけど、しっくり来たのが『青メロ』だった ... と言う感じ。「青いメロディ」、「青さがにじみ出るメロディ」、「青臭くて恥ずかしくなるようなメロディ」、「若さが故の青さ」 ... なんでもイイんですけど、ダイレクトに切なさや勢い、気持ちが心に響くモノなのでなのでコレは、フィーリングの問題なのデス。
例えば、ジャンルの垣根無く沢山の音楽を聴くようになって、自分の感性がドンドン成長して行って、齢を重ねる度に「青臭い」モノなんて恥ずかしくって聴けないって、赤面な方もいらっしゃるかも。僕の場合は"逆"、色んな音楽を知れば知る程、出会えば出会う程、発掘すればする程、そしてそれらを聴けば聴く程に明確に自分の好きなモノがクリアになって行く感じ。そう、僕は『青メロ』が大好きなんですネ ...
今回は、自分のバイト代でレコードや CD を買い漁っていた、物心付いた(←表現おかしい?)頃の名曲達のお話。僕が学生の頃と言えば、レコードを探す事に関しては"天国"のような時代。 1000 円以上する中古レコードなんて殆ど 買った事も無かったけど、今と違って新譜は全然試聴させてくれない、情報は全く無いと言う事を考えれば、結局± 0 ? みたいな感じ。ただ、ここ 10 年で、色んな点が大きく変わったなぁ ... と、柄にも無くそんな事を言ってみたりして。
さて、お察しの通り、僕が学生の頃と言えば、ギターポップやネオアコ、インディーポップに、グランジ( この当時は、まだオルタナと言う言葉は未定着 ... ) などと称される音楽に入れ込んでまして、僕の基本なんてこの頃に完成しちゃったようなモノですが、取りあえず僕の人生、現段階で最も衝撃を受けた『青メロ』と言えば、Bubble Bus「Words of Love」 (1.) で決まりです。残念ながらこれ以上のインパクトを受けた事がまだ無い訳ですけど、もしあったら嬉しいなぁ ... 、なんか無いかなぁ?
で、やや時代を遡ってみると、The Hit Paradeの「Forever」に「You didin't love me then」 (2.) ( フリッパーズ・ネタですね。ちなみにExibit Bと言うのもあります。ちなみにハックルベリーで 900 円でした ... ) とか、現在のバンドのスタイルからは想像し難い位に、ひたすら『青メロ』なPrimal Screamの 1st 『Sonic Flower Groove』(3.)、もちろんAztec Camera の「Oblivious」 (4.) 、ちょっと突っ込んだところでは、East Villege の「What kind of friend is this」(5.) なんて最高に『青メロ』でしょう。この辺りは、若干繊細な感じのする音楽ですが、究極はPale Fountains の「Just a girl」に「Thank you」 (6.) かなぁ?特に後者は、 7 ' シングルに入ってる猛烈にドラマチックな Ver. が、最高に『青メロ』全開で、恥ずかしさを通り越して、鼻水混じりの大粒の涙しか出て来ません ... 。
(1.)V.A. - musique dessinee 01 - just a groove! [8曲目に収録] (production dessinee)
(2.)Hit Parade - With love from the hit (Vinyl Japan)
(3.)Primal Scream - Sonic flower groove (Warner music)
(4.)Aztec Camera - High land hard rain (Warner music)
(5.)East Village - Drop out (Excellent Records)
で、少し時代が進むと 彼ら (7.) の登場です。初めてジャケットを手にした瞬間のいかがわしさと来たら ... しかし王道『青メロ』でしょ?ジャケも青いし ... あとは、良心の塊のようなFountains of Wayne(8.) もパーフェクトな感じ。特に 1st は『青メロ』ですネ ... ジャケも輸入盤の方が秀逸(フラミンゴーズではありません!チガウ!)。
さらに時代は進んでも、『青メロ』は普遍です、だって流行り廃りに影響を受けないから。と言う事で、脈々と受け継がれる『青メロ』の体現者、Joe Kennedy 「Sadness」(9.) なんて抜群ですネ。そして、忘れちゃイケナイのが永遠の『青メロ』、Freewheel の「Thinking of each other」(10.) です。例えビートがディスコでもハウスでも、『青』いモノは『青』いんだよ、って感じです。昔は DJ でかけてもごく一部にしか反応が無かったのも過去の話、最近はパーティ版ミュージック・デシネでは隅々まで合唱&拳あがりまくりです。『青メロ』マジック炸裂 ...
(6.)Pale Fountains - Longshot for your love (Marina)
(7.)Weezer - Weezer (Geffen)
(8.)Fountains of Wayne - Fountains of Wayne (Tag Recordings)
(9.)Joe Kennedy - Van cortlandt park (CD) (Favourite)
(10.)V.A.(Mixed by DJ ilD) - il Dramma 09 - Dont give a fxxk [23曲目収録] (Poor Mixed Discos)
... 思いがけず長くなりました ...
取りあえず、今・ディスク・デシネで扱っている商品の中で、思いつく限りの『青メロ』をピックアップしてみました。勿論、このコラムを書く為にある程度スタイルを限定したので、『青メロ・その2』では、より幅を押し広げるか、さらに突っ込むか、忘れちゃって過去の遺物になるか、どれかです(笑)。ので、あんまり期待しないで。取りあえず『青メロ (c) ま』は、僕の永遠のテーマとなるハズなので、さらに精進する予定です。どうぞ、アナタにとっての青いメロディも教えて下さいませ ... オシマイ。
(丸山 雅生 / 2008.05.18)
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